それからどれくらい経ったのだろう。


俺は目を覚ました。


怜「ん………」


ムクリと体を起こす。


頭がまだぼやけている。


(俺、何してたんだっけ…。あっ、そうだ…。
文太が提案した遊びをして、あの手に引きずり込まれて……)


俺は辺りを見渡す。


怜「ここは……何処だ?」


そこは風景こそ同じ学校の校庭だったが、空は赤や紫の現実味のない世界だった。


俺の少し先に倒れている人物が目に入った。


怜「雅明!」


俺は雅明の体を起こして呼び掛けた。


怜「雅明!しっかりしろ、雅明!」


雅「ん……。さ…とし…?」


雅明が目を開けた。


俺は少しほっとする。


怜「良かった。無事だったんだな」


雅「あ…なんとか……。怜は?」


雅明はだいぶ落ち着いた様でいつも通りの声で聞いてきた。


怜「俺も平気だ」


雅「良かった…。……本当にあったんだね…隠れ鬼ごっこ……」


雅明は少し目を伏せて言った。


怜「あぁ……。とにかく、夢じゃねぇのは分かるな…」


雅「うん……。あっ、そういえば、他の皆は?」


怜「まだ探してないけど…多分近くに……あっ、居た!」


また少し先に文太、その先々に昴と拓海も倒れていた。


怜「よし、起こしに行こう!雅明、歩けるか?」


雅「うんっ。大丈夫だよ。ありがとう」


俺と雅明は他の3人を起こしに行った。