「やたらと寛が実莉ちゃんの元カレ褒めるから…さ。
イケメンでいいヤツだって。」


え…
寛、やっぱり余計な事を


「って俺が教えろって言ったんだけどね。」


そう言って先輩は笑ってる。

……どう言葉を返したらいいのか分からなくて困る。


「これから宜しく。
実莉ちゃん。」


先輩は私の方に振り返って微笑み、手を差し出した。


「私も宜しくです。」


差し出された手

あ…握手?


ちょっとドキドキしながら、私もゆっくり先輩の手の上に自分の手を重ねる。


私の手を先輩の手が包みグッと力が入って握手…

でも先輩はそのまま私の手を引いて歩き出す


そして、向きを変えて手を握り直した。