俺は自分のコンプレックスを「もしもノート」でどんどん消していった。


もしも、もっと明るい性格だったら…もしも、もっと勉強が出来たら……


コンプレックスを潰すというよりも、願望を並べているようなものだった。


「もしもノート」は俺の願望が書かれたノート。

俺の腹の中が真っ黒である事を明かしているノートである。


その中には、皆から可愛い、綺麗などと言われている子やタイプだなとひそかに思っていた子と付き合ったらなどと言うものもあった。



気持ち悪いって?仕方ないだろ?モテない人生をずっと送って来たのだ。


自分の空想の中だけでも夢を見させて下さいよ。



ねえ、桜木一花(さくらぎいちか)さん。


そんな怖い目で見ないでくれ。