泣いても、泣ききれない。 あんな言葉のせいで、 もう葉ちゃんは私に笑いかけてくれすらしないかもしれない。 声を押し殺しながら ドアに横に持たれて座り込む。 夏の暑さが頭を混乱させる。空を見上げると滲んだ入道雲がゆらゆらと揺れて見えた。 もう、10年近く温めてきたこの恋心も... 全部からっぽになるまで、捨てなきゃいけないのかな... ガチャ。