ぎゅう、と顔をみられたくなくて無意味だろうとわかっていたのに、正面から抱き着いた。 葉ちゃんの顔はわからなかったけど、くすくすと声が聞こえたから多分全部バレてる。 きっと、私の好きなあの顔をだらし無いほどに綻ばしているだろう。 見たいけど、――今更見れない。 「――しぃ」 あぁ、ほら。聴いたこともないような甘い声色。 「顔見せてよ、 キスさせて?」 ――とろけるような 甘い、コトバ。