「…」

「あ、あたってた?」

うん。と言いたくなくて、
無言でコクリとうなづいた。

「ごめん、冗談のつもりだったんだけど」

「いいよ。もう1年も前のことだし」

「1年?!」

私のそっけない返事に、
望が驚いた反応をする。

「うん」

「1年もここで一人暮らししてるの?」

「そうだけど…」

「彼氏、帰って来るの?」

「…多分、帰ってこない」

「別れたの?」

「…多分…」

「多分って」

ちょっとバカにした感じの望の反応が、
心に刺さる。

だって…。

別れの言葉も、
何も、
なかったんだもん…。