「絢~、荷物ここ置いとくね~」

リビングからのんきな声が聞こえて、

遅れること十数秒。
やっとリビングへ到着。

「ありがとう、すぐご飯作るから、ソファにでも座って待ってて…」

「うん」

って、
もう座ってるのね。

部屋に男の人がいるのが久々で、
自分の家じゃないみたいで。

そんな光景をまじまじと眺めてしまった私。

あ、
よかったぁ。

意外にも、
ちゃんと片付けてあった部屋にちょっと安心した私は、

そうだそうだと思い出したように、
キッチンへ移動。

冷蔵庫に買った物をしまっていると、

「これちょうだい♪」

「わっ?!」

ヒョイッといきなり現れた手に、

ビクッ!!

と硬直。