鬼殺し

雅人の胸倉に手を伸ばし、左手を握り締めた時に、間に挟まれている沙耶香の悲痛な叫びが響き渡った。

「やめて!!いい加減にして!」


「そうだ、冷静になれ仁史!撹乱させるのが奴の目的だ。
今の情報が正しいかどうか、判断する方法なんかない。

雅人は涼子と会っていたが殺したわけじゃないと言っているだろう。ここは一旦引くんだ」

冬耶の制止の言葉がなんとか仁史の体を留めた。

雅人は溜息をついて壁に背を擦り付けながら、ゆっくりとしゃがみこんだ。