髪の長い細身の女。


"ユカ"じゃない、全く知らない女。



ひとりかくれんぼ、終わらせたじゃないか…どうして今?



顔を髪の毛で覆うようにしているせいか、表情はよく見えないが、女はニヤリと笑い、細い腕を上げ鏡越しに僕を指差して笑っている。



不思議と恐怖感はない。
誰かに見付けてもらえた、それが只、嬉しかった。



上げていた腕を下ろし、女は消えていった。
まるで虹が消えるように、徐々に薄く、やがて姿が消え去った。



それから僕の、狂った生活が始まった。