あれから随時と時間が経ったが、クローゼットのドアが開く事もない。
"何か"が僕を見付ける気配もない。



猫は相変わらずバタバタとのた打って奇声をあげている。



そろそろ終わりの時間だ。



僕は塩水を口に含み、風呂場に向かった。



"ユカ"は洗面器の中に居た。



「私の勝ち、私の勝ち、私の勝ち」



…終わった。
結局何も起こらずに、ひとりかくれんぼは終了した。



(結局…誰も僕を見付けてくれないんだ…)



そう思い、部屋に戻ろうと洗面器から目線を上げた時、何かが…"何か"が鏡に映っていた。



鏡に映っていたもの、それは…