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何で私の横に、二階堂先輩がいるんだろう?


いつもの樹と一緒の帰り道、私と樹の間には、ニコニコ笑いながら饒舌におしゃべりをする、学園トップクラスのいい男がそこにいた。




男子が相手だと、こんなにも明るくて感じのいい人なんだなぁなんて、ちょっとだけ距離を置きながら私は観察している。


文化部の部長さんだというのに、割とがっちりとした体つきで、身長も高い。
私より10センチぐらい高いから、178ぐらいはあるかな?

華奢そうに見えて、案外筋肉は付いてそう。
手足も、指さえも、すごく長い。

眼鏡似合うなぁ…

髪も間近で見ると、すっごいツヤツヤサラサラ…

本当にうっとりするぐらい素敵。



萌え処満載だわ!

さすが学園No.1





はあ…
こんなに素敵な男の人って、はじめてみるかも?

何で同じ学校なのに、今まで遭遇しなかったのかが不思議。
こんなに目立ちそうな人なのに。





思い起こせば、私はこの学校に入学して一年と二ヶ月あまり、クラスメイトと部活の仲間以外に生徒との接触がほとんどなかった。

オリンピックの日本代表に選ばれたってことや、このガタイのよさもあって無駄に目立つから、なるべく目立たないように目立たないように生活してきたから。



それでも、私のファンだっていう女子たちだけは、学年問わずどこからともなく集まってきちゃうんだけどね。






「樹君って、小柄な割には、しっかり筋肉が付いてそうだね。
ちょっと触らせて。」


そんなことを言いながら、先輩は樹の二の腕なんかをさりげなく揉んだりしていた。



なんかいいな…


こんな綺麗な人に、私も触れて欲しいなーなんて、

なに考えちゃってんだろ、私ってば欲求不満?




「麗ちゃんも凄いね、その筋肉。」

思いが通じたのか??
先輩は、私の二の腕までやわやわと触ってくれたりなんかした。




っていうか、この大きくて指の長い手の感触、どこかで触れたことのあるような?
何かのデジャブでも見てるのかな?