朝のラッシュアワーの車内で、私は通勤通学の人にもまれながら先頭車両に乗り込んでいた。

学校の最寄り駅にはこの車両に乗ったほうが一番近いし便利だけれど、一番込み合う場所でもある。

普通の女子高生なら、こんな場所は痴漢を敬遠して絶対に乗り込まないだろう。


だけど私はへっちゃら。




だって私は、悲しいかな、女になんて見られたことないもの。




もし物好きな痴漢がいたとしても、幼い頃から習っているレスリングの腕前で、痴漢の腕の一本や二本、へし折ってやれる自信もあるしね!!



しかも、今日はいつもの制服すら着ていなくて、ジャージの上下に大き目のスポーツバックを背負っている。



ちょっと見たら、普通に男子にしか見えないな。



いや、きっと胸を触られたとしても、男子に間違われるかも(胸囲はあるけどどうせAカップだし)


別にいいんだ、もう男女って言われることにはなれてるもん。






でも、こんな私のことを、いつもかばって守ってくれる男の子もいるんだ。