――目が覚めると、久しぶりの光景が広がっている。 あの頃は朝日を白く反射していたのに、今はすっかり鈍い反射をする天井。 ゆっくり上半身を起こし、頭に手を当てた。 「……?」 鼻孔に漂ってきた甘い香り。 嗅ぎ覚えのある果実の香りは、横から漂ってくる。