向日葵の種



「そんなこと、ないだろ?」


「あるよっ!」


客室の隅にいた中野ちこが、畳を膝擦って寄ってきた。
柔らかそうな、クリーム色のシュシュでダンゴに結った黒髪が、微かにバウンドする。