写真の中の千春は、こちらに向かって微笑んでいる。
14の時、僕が誕生日にプレゼントしたお気に入りの白ハットを被って。
ずっと、ずっと。
夏、何処に出掛けるときも被って、大切にしてくれた。


長い癖髪が風に揺れると、僕は少女として見ていた千春に、女性の魅力を感じた。