小さな歩幅が僕の方へ歩み寄り、 「それは先生の方なんだよね?」 僕の傍らに腰を落とした。 「先生――」 真っ白なコットン布地の手袋をはめた手。 スッと頭上に伸び、淡く白を発する手は弧を描いて、僕のベリーショートの栗毛頭へ置いた。 「悔やむことなんてないよ」