メガネ男子



雨!雨!雨!

俺は下駄箱にいた

今日みたいな天気…
てか梅雨ムリ!

雨とか俺の性に合わん


ローファーに履き変えて
傘を開く


「結構降ってんな…」

とか言いながら校門までたらたら歩いてた



ビチャビチャビチャ…
背後から雨の中走ってくる音が

傘忘れたんだな〜
とか思って振りかえると


「小林さん!」

「紀伊君…」

小林さんはびしょ濡れだった

セーラー服は雨に濡れて重たそうに彼女にのしかかっていた

「…え」

それを見た瞬間、

俺は小林さんを自分の傘に入れていた

「いいです!走って帰れますから」

「いーの!風邪ひいちゃうよ」

「バカは風邪引かないんです!」

「いやいや。
でも放っておけないよ」

「……」

彼女はうつむいた

雨の雫が肩にたれている

「小林さん…?」

「このご恩はいつか必ずお返しします!」

「そんな大きな事じゃ…」

ま、いっか。

俺は小林さんを傘に入れた

「麻美…ちゃんだよね」

ゴホッ

彼女はむせた

「だっ大丈夫?」

「だって…麻美ちゃんとか男の子に言われるの小学生以来かも」

そう話す彼女は遠い目をしていた

「嬉しいんだ?」

「別に」

「またまた〜!」

「ははっ」

その時の彼女の笑顔は
花が咲くようにふわっとしていた

そのまま他愛ない会話をしながら道を歩き

「ここで大丈夫です」

彼女は言った

「こんな道路っ端で…」

「雨も小雨になってきたし…ありがとうございました!」 

そう言うと
彼女は走って行ってしまった

笑うと可愛いだな

俺は思った