片思いlovers

部活が終わる時間になったので教室に戻って来る人もいた。
その中に田原の姿もあった。

「さっき、田原が先輩と話してたこと気になるんじゃないの?」
結衣に背中を押されて決心して、田原に聞きに行こうとした。
でもその瞬間に目が合ってしまい、心が揺らいだ。

「だめじゃん!」
呆れながら言われて申し訳ない気持ちになりながらため息をついた。
「もーどうすればいいのさ」


「ねぇ」
ふいに結衣じゃない人の声に呼ばれて顔を上げた。
予想はしていたけど、田原だった。

「さっきなんで目ぇそらしたの?」
・・・なんか若干怒ってる?
あんまり怒らないから珍しい。

「何でもない」
「嘘だ」

前も何かこんなようなことあった。
でもやっぱりいつでも田原は私の嘘はすぐに見抜いてしまう。

「話があるんだけど。」
言ってみたけど、こっちまで怒っているような言い方になってしまった。
「じゃ、帰ろ?」
そう言われて、結衣の方をみると頷いてくれた。

理解があるのは有り難いけど、明日の質問攻めが怖い・・・

学校を出ると、少し薄暗いような感じだった。
秋になって日が短くなっているのがよく分かる。

なんて話し始めたらいいか分からなくて黙っていたけど、誘ったのは私だし。

言おうとしたけど先に田原が話し始めた。
「話したい事って、先輩のことだよね」
「うん」
「でも言おうとしてくれたのは嬉しかった」

やっぱりってか気づいてたんだ・・・

「祐も何か言われたの?」
「あぁ・・・いろいろ。詳しいことは千花に聞けっていわれた」
性格悪っ!
「で、何いわれたの?」
そこだけいつもより口調が厳しい。

「なんか先輩が、祐のこと好きらしくて・・・譲れって」

相当ビックリしたらしい。それは気づいてなかったのか。

「・・・じゃあ千花は俺が先輩の方に行くとでも思った?・・・ちょっとでも」
答えにくかったけど、嘘ついたところで結局見抜かれるなら行った方がいいと思った。

「・・・うん」
無反応だったから見上げると、笑っていた。
わしゃわしゃと頭をなでて「だいじょうぶだから。」と言った。

よかったと思ったら安心したのか涙が出てきた。
まだ田原は笑っている。・・・そんなに面白いかなぁ?