言った瞬間、情けなさからくる恥ずかしさの何百倍もの恥ずかしさが一気におそってきた。


まだ、田原は何も言わない。




何故か涙が流れた。

伝えられた嬉しさとか今までの緊張とか、全てが重なってあふれてくる。


泣き顔を見られたくなくてまたうつむいてしまった。



「葛城・・・」


なんて言われるんだろう。

結衣には「ふられることはない」っていわれたけど心配だ。



ぽん


田原の手が頭に乗せられていた。

よしよしをする田原を見てみると、笑顔が浮かんでいた。


「ありがとう・・・うれしい」


その言葉が一番聞きたかった。
そして、安心できた。



「うん」

そう言うのが精一杯だったけど、分かってくれる気がした。



田原はよしよしする手を止め、ふと腰をかがめた。




ちゅ




おでこに触れるか触れないかくらいで・・・


ビックリして顔を上げると恥ずかしそうに笑う田原がいた。