「御飯食べたら…抱きしめてたいから…
抱きしめたら…きっと言えないから…今…言っていい?」
御飯もそろそろ終わりって頃、きまずそうに言い出した。
「別れたばっかりの頃。
スゲー辛くて……眠れなかった。
飯も食えなくて。
恵子が恋しくて。
適当な女見つけて、寝た。
恵子の身代わりのつもりだったのに、
やりだしたら、すげえめちゃくちゃに壊すみたいな抱き方したんだ。
眠れるまで何度も何度も。
毎日、毎晩日替わりで。
全部で30人ちょっと。
」
幹斗は机に顔を伏せたまま話してる。
「30人…」
「たまたま勇作の友達だった女とやったあとに、勇作からプール誘われて…プール行った。」
大学に入ってからは一度もフラッシュバックが起きてないことは知ってた。
『幹斗が壊れるぞ』ふと先生の言葉を思い出した。
「平気だと思ってたんだけど…でも…フラッシュバック起きて、戻して。
先生に電話で助けにきてもらった。」
幹斗は机に伏せたまま震えてた。
後ろに回ってギュッと抱きしめた。