買い物して…家のドアを開けた瞬間に抱きしめた。
きつく……
ってかこいつ……
「痩せすぎ!!」
「うん。幹斗も。
………お腹すいた。」
「御飯、冷凍庫に入ってる。炒飯作ろ。」
冷凍庫に那智さんがくれた餃子が入ってるし…
ちゃっちゃとやって、ひっつきたい。
「幹斗のお面被った偽物がいる。
炒飯作る?ってか部屋がキレイ。
やっぱり女の子がいるんだ。」
散々泣いたのに、また目がウルウルしてる。
「ここに入った女の子は恵子と母ちゃんだけ。
俺…眠れなかったから、夜な夜な掃除してた。
御飯も洗濯も掃除も…
恵子と一緒にしたいから、いっぱい勉強した。
恵子も貴子ちゃんと同じだろ。
分担じゃなくて一緒にしたいって思ってるだろ。」
自分の母ちゃん捕まえて、女の子とか言ってる自分に寒気がするけど…
「……亘くん……?」
ちょっとイラってした。
「なんで…村越くんから亘くんに変わってんの?
ちょっとヤダ。」
「今さらだよ。
大学入った頃から、ずっと亘くんだし。」
ああ…まただ…
また…見逃してたんだ。
「ごめんな。」
「そんなことで謝らないでいいよ。
今日からまた一からでしょ。」