「…抜けようか…」
隣にきた女の耳元で囁いた。
コクんと頷く女を引っ張りラブホに連れこんだ。
「一人暮らしじゃなかった?」
どうしても部屋には入れたくなくて、ラブホにきたんだ。
眠れないんだ。眠りたいんだ。
「ホテルのが燃えるだろ。」と始めから深いキスをした。
頭の中では何度も恵子を想像し、
喘ぎ声で恵子じゃないことを思い起こす。
「うるさい」と
口をキスで塞ぎ…
『恵子…』『恵子…』と心で叫ぶ。
何度も何度も、疲れて眠るまで何度も。
「んっ…壊れる…」
そういう女の声に萎えそうになりながら
「うるさい!黙れ!
壊れろよ!」
そうして明け方眠りについた。

