「あれはダメ。
恵子と飲むやつ。
恵子に初めて買ってきて貰ったやつ。」
えっ……………
うっうそ………
蘇る記憶の断片
実行委員、プリント綴じ、幹斗、コーラとコーヒー
「うそっ…………
だってあの時、幹斗凄い怒ってた。」
「初めは…戒めだった。
これと……コーラ」
差し出されたのは一人で綴じた文化祭のしおり。
よりによって涙でベタベタでなんて書いてあるか分かんない。
「もっと優しい男にならなきゃって
もっと余裕のある男にならなきゃって
じゃなきゃまた女の子傷つけるって。
でも『好きだ』って気付いた頃から、いつか恵子と飲もう。って思ってた。」
涙が溢れる。
この人は…ちゃんと好きでいてくれてる。
何にも不安になることなんかなかった。
私はこの人といれて幸せだし、
この人のことは私が幸せにするんだ。
「みき…みっ…みきと…」
「んっ?」
「ゴメン。また…また…溢れた。」
「プッ。 うん。聞きたい」
「………だいすき…」
途端に唇は奪われた。
いつもより荒いキスは私の理性を簡単に崩した。

