勇作に「恵子と付き合ってる」
それだけを電話で伝えた。
俺は何をびびってたんだろう。簡単じゃないか。
「先生…俺…恵子と一緒に…今を生きる自信がなかったんです。
勇作にバカにされるんじゃないか…とか
2回も振っておいて、なにいまさら…とか
恵子は好きだけど…まわりの評価や意見が気になって…」
黙って聞いてくれてたけど…フッて笑って
「それが…若さだろ。
高校生ってことだよ。」
「…でも…先生が『覚悟してこい』って…
先に逝かれる覚悟…
死んでいくのを見る覚悟…
恵子のいない世界で生きていく覚悟…
そういうの考えたら…
恵子と一緒に今生きる覚悟なんて簡単だった。」
「それは…お前が『死の覚悟』をしたからだ。
だから簡単だった。
俺も那智を苦しめたから…分かるよ」
それから少しだけ話してくれた先生と那智さんの過去。
先生は高校時代やりまくり、浮気しまくりだったって。
でも那智さんは学校で一番かわいくて、付き合ってるのは那智さんだけだった。
那智さんは先生に何も言わなかった。
でも何も言わずに少しずつ心が壊れていったって。
先生が抱こうとすると、過呼吸をおこす
何度も何度も
そして何度も何度もゴメンね。って謝る。
そうなってようやく先生も気付いた。
それこそいつか言ったみたいに他の女の子を抱こうとしても出来なくなった。
何年も精神科に通ってやっと…良くなったって

