クラウピア 〜雲の上の国の物語〜

『ちょっと賭けてみようかな。』
 杖で床をつんつんすると、光り出した。

そして、線がいくつもの現れ、1つの絵…

いや、地図みたいになった。

『え?今の…手品?』
『テジナ?なにそれ?これは、地図魔法じゃない。このくらいの魔法なら、大丈夫みたいね。』
 チズマホウ…?

なんだそれ?

血頭魔砲とかだったら、強そうだな。

『チズマホウってなんだ?なんか、強そうだけど。』
『地図は知ってる?』
『ああ、言葉の切る場所はそこか。地図、まほう…』
 地図、まほう…

地図魔法…

え?

『これって魔法!?』
『当たり前のこと聞かないでよね。時間がないんだから。』
『………』
 当たり前…

なのか?

いや、よく考えたら、俺はどうやってここに来たんだ?

『よし。わかった。行くわよ、コウ!』
『ちょ、待て!俺は…』
 ナナは問答無用で走り出す。

俺は驚いてはいたが、

しっかり手は握る。

走りまくっているせいだろうか、心臓がヤバい。


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