『はっ!』
 双剣のうち、右を突き上げる。

そのまま、右足を軸にし、回転しながら、左の剣できりつける。

『まさに双受流。うまくなったじゃない。』
 今の技は、右で切り上げたようにみせかけて、

実は、腹部への攻撃という技。

『双受流のホントに怖いのは、2つ目を防がれたときにわかるわ。』
 そう言われても、、、

いや、それより、

俺が問題だと思うことは1つ。

『ナナの兄とアルベルトの実力はほぼ同じだったのか?』
『アルベルトは、いつも、やや兄様に負けてたかな。』
 つまり、アルベルトより強かったんだ。
『ナナの兄を育てた人のところにいく。』
『ちょ、それは、やめた方が…』
 ナナは変な汗をかいている。

なにがどうしたんだろ…?

『どーして?』
『変わってる人だし…』
『それもしかたがない。』
『多少とかじゃないのよ?』
『いいよ。』
 ナナはうむむと考え込む。

そんな変な人なのか…

『わかった。』
 ナナは立ち上がる。

そして、俺のおでこを指でトンとする。

『約束して。死なないと。』