クラウピア 〜雲の上の国の物語〜

『………』
 俺はナナとの特訓を思い出す。

……………………………

『コウ、カウンターが得意みたいね。』
『カウンター?相手が攻撃してくるのを待たなきゃいけないってのに?』
『うん。たぶん動体視力と、反射神経がいいのよ。』
『そっかぁ…』
 でも、攻撃を待つってのは主義じゃないしな…
『大丈夫。こっちから攻撃をしかけたのを、相手が返したとき、それに対する攻撃だってできるのがカウンターなんだから。』
『たしかに、そりゃすごい。』
『でも、それにはまず普通のカウンターを覚えなきゃ。』
『わかった。』

……………………………

双流舞は俺が初めて覚えた、攻撃+カウンターの技。

大好きな技だ。

だが…

俺がもっともうまいと称されたカウンターはこれじゃない。

『ふぅ…』
 俺は息を吐いて、クロスさせた双剣をそのまま手を伸ばし、相手に向けた。
『行くぞ!』
 ものすごいスピードで向かってくる。

俺よりも速い。かなり。

だが、

見ることはできる。

『食らえ!』
 アルベルトはランスを思いっきり引いた。
『絶対領域。』
 ランスが、俺の間合いに入ったのを感じ、右剣で打ち上げる。

そのまま、回転しながら、左剣で胸を突き刺す。

『な…』
 しかし、そこにあったのはコートだけだった。

ランスは上方へ跳んでいったが、下に気を回し切れていなかった。

下から拳が突き上げてきて、確実に俺のアゴへヒットした。