クラウピア 〜雲の上の国の物語〜

 
がーんと、先生の頭に音が鳴る。

『話がそれだけなら、俺はもう行くぞ?せんせー?』
『せんせーではなく、先生ですっ!』
『はいはい。先生。』
『ホントにわかってるんですかねー!』
『神崎先生。そろそろ、補講の時間です。』
 隣のクラスの先生が言う。
『忘れてたーっ!わかりました。今日のところはコウくん、終わりね。また明日もやるからっ』
『はーいっ!』
『まったく…返事だけはいいんだから。』
 コウと呼ばれる少年は職員室から出ていく。


…………………………


『なにこいつーっ!』
 神殿の前には、大きな青い蛇がいる。

大きさは神殿をゆうに超える。

『ジャイアントスネーク…』
『グリ!』
 グリフォンが戻ってきた。
『ウィングアントは?』
 グリフォンはうなずく。

ウィングアントは全部倒したみたいだ。

『ジャイアントスネークか…なら、あれしかないわね。』
 グリフォンを杖の中に戻す。

そして、雲にある陣を描く。

ゆっくりと、大きな陣だ。

『さぁて…』
 完成したみたいで、ふむふむなどと言っている。
『オーストラリアを創造せし、聖なる大蛇よ。我が、力となれ。…虹蛇!』

 陣が輝きだし、

七色の光が溢れ出す。

辺りには、オーロラが眩しい限りに大量に現れる。

『久シブリダナ、ナナ。』
『その声はウォルンクァね。』
『ウァナンビハ、エアーズロックデ寝テイル。』
『ユルルングルは?』
『アイツガ、オ前ノ召喚ニ応ジタコトガアッタガ?』
『………』
 ナナと呼ばれた少女は無言になる。
『…なかったわね。』
『相手ハ、アレカ?』
 青い大きな蛇が虹蛇を睨んでいる。

虹蛇も睨み返す。