クラウピア 〜雲の上の国の物語〜

『ロッド…』
 絶対に選ばないようにしないと。

それを見るたびに、ツラい思いをさせてしまうかもしれない。

『ついたわ。武器庫よ。』
 大きい扉の前に俺たちはいる。

ナナは鍵を開けて、ガラガラあける。

『うわぁ…』
 なににしようかな。

ロッドに勝つには…

『なにがいいと思う?』
『うーん…近距離に勝つには、遠距離から、逃げながらの攻撃が…』
『逃げるなんて、嫌だから…』
 リズムの早い攻撃には…

…さらに早い攻撃を仕掛けたい。

『これにしよう。』
 俺は2つの短剣を手にした。
『双剣っ!?』
『ああ。双剣にする。』
『武器は1つを完璧に扱うのも難しいのよ?双剣なんて…』
『だけど、たぶん、短剣1つなら、難しくないだろ?』
『たしかに。短剣は近距離武器でも、かなり簡単ね。』
『それを両手でできるようになりゃいいんだ。』
『まあ、たしかに。』
『だから選んだ。』
『わかったけど…』
『わかってるよ。そんな簡単なもんじゃないって。でも、これがいいんだ。』
『わかったわ。でも、ちょっとビックリした。』
『なんで?』
『双剣は私のお兄様と同じ武器だから。』