クラウピア 〜雲の上の国の物語〜

『バタン!』
 扉が開く。
『コウ、言ってきたよ!』
 ナナが帰ってきた。

後戻りはできないな。

するつもりもないけど。

『あ、ああ。』
『早速だけど、まずは武器を選ぼ。行くよ。』
『武器?』
『うん。それぞれ特性があるんだよ。』
 ナナが歩きながら、説明してくれる。
『大きく分けると3つ。

1つ目は、まったく攻撃力がないやつ。

例えば、杖。これね。他にもネックレスや指輪とか。

私もつけてるけど。

まあ、このネックレスや指輪も、そのうち活躍するわ。

次は、遠距離攻撃を得意とする武器。

弓とかボウガン、銃とか。

ただ、魔法は1つ目よりも扱いにくい。

攻撃力は1つ目よりも高いけど。

私は、銃を少しできるくらい。

で、最後に近距離での攻撃を得意とする奴。

剣とか、ランスとかね。

これは、攻撃力は1番だけど、魔法の扱いやすさは1番低い。

でも、男の人は、これをよく使うね。

まあ、杖よりもカッコいいしね。

アルベルトも、これだった。』
 アルベルト…

その言葉を発すると、ナナはいつもツラそうな顔をする。

『アルベルトの武器は具体的になんだ?』
『ロッドよ。』
 ロッド…

棒の両端に短剣がついているやつだ。

長刀とか、ランスとは違って、両方が短剣だから、リズムの早い攻撃ができる。

扱うのは難しいけど。