―そしてその日から
9ヶ月間の
新しい人生が
始まった―


女の人が用意して
くれた家―


人間という新たな姿―

何もかもが手に入った


「うわ~!信じらんない
スゴイ!スゴイ!!
夢みたい!!!」


って夢…か。


そう
たった9ヶ月間の私の
夢の物語が始まろうと
していた―




風がきもちいい頃
季節は桜が舞い散る

春を迎えていた―



学校のチャイムと共に
教室は静まり返った
担任の先生に連れられ
私は教室へ向う


そう―
私の初恋の人のいる
教室へ―…



「はい!では新しい
新学期と共にみんなに
新しい仲間を紹介
します」


担任の先生が清々しい
顔で声を張り上げて
言う


私の鼓動が高鳴る


教室に入ると何人もの
人が私に目を向ける中


私の視線は彼を探す―


どこだろう…
ここの教室じゃない
のかな…?

でもあの女の人が全て
教えてくれた



2年A組の―…



「…さん?白木さん?」

「!!あっはい!」


先生の声で我に返る

初日から何してるんだ
私!!


「自己紹介
しましょうか」

笑顔で先生は言う


「はい!えっと…名前は
白木 希望(シラキ ノゾミ)
といいます。
分からないことばかり
ですがヨロシクお願い
します!!」


そう言い私は深々と
頭を下げた

私の名前は
スノードロップ
の花言葉
『希望』から
女の人がつけてくれた
名前


女の人が与えてくれた
名前と
この姿―…

これが新しい私


白木 希望
高校2年の春