静かな教室に
由佳莉の小さな泣き声が
響く中


私は由佳莉の気持ちが
落ち着くまで
ただ側にいてあげる
ことしか出来なかった―…



しばらくの間私達は
教室で時間を過ごして
いた



溜まっていた感情が
一気に溢れ
たくさん涙を流した
由佳莉


少しは楽になれたかな…




落ち着きを
取り戻した由佳莉は
いつものように笑顔で

"ありがとう"と
言ってくれた



言われるときっと
嬉しいはずの
"ありがとう"という
言葉…



嬉しいはずなのに…

心が痛む―……



大切な人に
何もしてあげられない
自分の歯がゆさと
罪悪感で
いっぱいになる



きっと私は―……




また由佳莉の心に
傷をつくって
しまうからー…



悔しさを胸に押し殺して
前に進むしかない



それが……



私の選んだ道だから…