今日は私達Bチームの
メンバーと部活の人や
数少ない先生しか
学校に来ていないせいか


いつもとは違う
静かな学校に
セミの鳴き声が校舎まで
響いている



初めての夏を迎える
私にとっては
何もかもが新鮮に
思える反面


心は複雑な気持ち―…



私の命はあと5ヶ月…



周とはあれ以来
いつも通りの会話で

進歩はなく変わらず
"友達"の枠にいる私―



日々を過ごすたびに
考える…

私には未来も先も
ないってこと



周を好きでも未来がある
訳でもなくて


ただこの場所で
一緒にいられる幸せを
感じる―……



ただそれだけ…



望むことも
望まれることも

結局最後にはたくさんの
人を傷つけてしまう


その事実はずっと
変わらない―…



「…………ぞみ?」


知の呼ぶ声で我に返る


「あっごめん!ボーっと
してた…何??」


「大丈夫?暑いから元気
なくなった?」


「ううん。大丈夫大丈夫!
ちょっと考え事
してただけだよ!」


「そっか!もうすぐ教室に
着くけど
みんなの飲み物買って
行くから先行ってて!」


「あっ私も一緒に行くよ?」


「由佳莉もいるから
大丈夫!早く教室
入ってないと
尚人が罰金罰金って
うるさいからさっ!ハハッ」


「そうだね!なんか
ごめんね!じゃ、先に
行ってる」


「はいよっ!!」


知と由佳莉に手を振り

私は教室へ向かった



教室が近づくにつれ
ざわめく声が聞こてきた


「おはよー!!」


「おっ!やっと来たか。
あれ?知と由佳莉は?」


床に寝転びながら
手で頭を起こし
尚人が言う


「ジュース買いに行って
くれてる!暑いからねー!」


「なかなか気が効く
じゃ~~ん!」


手で顔をあおぎながら
暑そうに答える尚人



夏に入ったばかりだけど
昼間の教室は
蒸し風呂状態。


エアコンがない代わりに
扇風機が置いてあるけど
室内の気温は
変らず暑い


動いてなくても
自然と汗が出てくる


その暑さに耐えきれず
周はシャツを脱ぎ
タンクトップ姿で扇風機の前で
風にあたっていた