ザァーッ
ザァーッ


「え─じゃぁ、今日も
みんな1日頑張ったね。
今日ゎ雨が降ってるから
みんな風邪ひかない
ように気をつけて
帰るんだよ」

『はぁーい』


「おーいっ!周」

「ん?何??」

「今日傘忘れちゃってー
持ってるなら一緒に
帰らない?」

そう言ったのは
僕の親友
笠井 尚人(カサイ ナオト)

そして僕

結城 周(ユウキ マコト)
7歳。
小学2年の冬。

「あっごめん!!
僕も忘れちゃってさー…
カッパしか持って
ない!」


「カッパー?!ハハッ!
まぁいいやっ!
今日は濡れて帰るよ!」

「そう?じゃぁまた
明日な!バイバイ」

そう言って僕は
降りしきる
雨の中カッパを着て
家路に向かう。

冬の終わりとは
いうものの
厳しい寒さが肌に
突き刺さる…


「う゛~さぶっ」

カッパがあって
助かったー
少しは寒さが紛れそう…


僕は早く家に帰ろうと
急ぎ足で下校する。

ピチャッ ピチャッ

「うわっ!
すごい雨だなぁー!
これ明日まで
降ってるかもっ」


そんな独り言を
言いながら
いつもの帰り道へ
向かった。


ザーーーッ。


僕の街は都会ではなく
昔ながらの田舎町
って感じ。

家に向かう
いつもの道には
小さな土手道がある。


この場所が
僕のお気に入り。


晴れてる日には
よくこの土手道で
親友の尚人と
キャッチボールや
ゲームをしながら
帰るんだ。


天気がいい日なら
みんなで
ピクニックに使ったり
春には綺麗な桜が
土手道いっぱいに
咲くんだ。


だから僕はこの街

この道が大好きなんだ。


ビチャッ!!


「あ゛っ!!
靴びしょ濡れだ…
母さんに怒られそー
早く帰らなきゃっ!」