高級ホテルの自動ドアを出て、駅の前のスーパーに向かう。
あわてて買い物カゴをとり、特売品の品物を奥さんたちにまぎれながら取り合いをする。
なるべくお金の出費はひかえる。
それがあたしたち2人の合言葉。
特売品の野菜と魚を買い物カゴに入れて、行列ができているレジへ向かう。
一番並んでいる人が極力少ないところ選んで並び始めた。
レジのバーコードを打つ、ピッという音が何個ものレジから音が聞こえ、混ざり合う。
その音を聞いている間に、頭にズシンと痛みを感じた。
―――――――・・・ 何か具合悪い。
この頃バイトのピンチヒッターが多くて、ろくに眠れていない。
フラフラになりながらも、会計を済ませ商品をレジ袋に入れる。
ズキズキと痛む部分を抑えて商品を入れ終えた買い物カゴをもとに戻し、スーパーを出て行った。

