中学三年生の春。


ついに高校受験を受ける季節になって、あたしは郁と向き合えないまま、新学期を迎えた。


正直嫌だったけど、素直な気持ちとか、郁が好きという気持ちだけでは向き合えない気がして、勇気なんか出てこなかった。


元々チキンなあたしが、何故郁に告白出来たのかも不思議なくらい、今のあたしは相当凹んでいた。


幸せだと思ってた自分が、馬鹿みたいで…


ちゃんとこれから経験を積んで、歩んで行けば大丈夫だって自分に言い聞かせても、果たしてあたしに出来るのか?と考えると、なんとも言えない。


郁は郁で、相変わらずあたしに向き合ってくれているのに…


郁は大人で、あたしは子供?そんなの…


こんな事を思いながら歩いていると、ふとある事を思う。


『……郁って、何歳?というか何年生?』


あたしはこれ程までにヘタレだったのだろうか、彼氏の年齢すら知らなかった。


童顔で可愛い顔をしていたから、てっきり中学生だと思い込んでいた。


もしも大人だったら?いや、身長的にありえないか…


せめて高校生?いやいや中学生?やっぱり中学s「おい。」