先生はいつの間にかいなくなっていて、研究室には私一人になっていた。

ヤフー占いで今日の運勢を見ていたら、ちわーと声がした。


「こんにちは」

声の主はコウ先輩だった。

挨拶をすると、先輩は「おぉ来てる、来てる」と嬉しそうな顔をした。ように見えた。

昨日のことにはお互い触れずに、雑談をして時間が過ぎていく。



「カエデちゃん、ご飯食べにいかない?」

気づいたらもう十九時を回っていて、帰る時間。

いつもなら行くと言うけど、さすがの私も気まずい。

先輩がどういう意図かわからないけど、今回は断るしかない。