「そういえば先輩ってオノ研でしたっけ?」

「そうだよ。オノ先生の研究室」

ウチの大学は三年生から研究室で、勉強を受けることができる。

三年生のマコちゃんたちも、それぞれ研究室に入って指導を受けているという話だった。

「さっき話したカエデが、オノ研に移ろうかなって悩んでましたよ」

いきなりの言葉にビックリした。

マコちゃん達の話によると、カエデちゃんは、後期からちがう研究室に異動しようと考えているらしい。


その候補に俺がいるオノ研があるという話だった。

「この前喫煙所で先輩が帰ったあと、アタシがコウ先輩はオノ研だよって教えたら、興味もってましたよ」


俺に興味がないということは分かっているのに、すごく嬉しくて、休憩あけの勉強会はとても時間が早く感じられた。