軽く勉強の話をしたあと、「この前マコちゃんといた子は?」とさりげなく聞いてみた。

今は「カエデちゃん」と言っているけど、この時まで名前を知らなかった。

マコちゃんは一瞬考えると「あぁカエデですか」と言った。

「カエデも授業一緒なんですけど、今日はバイトみたいで」

「そうなんだー」

話してみたかったな。とは言わず、ただ一言そう告げた。

だけど女の子というのは恐ろしく勘がいい。


今日初対面のはずのレナちゃんが、

「先輩、気になるんですか?カエデのこと」
と、言うもんだからヒヤリとした。

「気になるっていうか、マコちゃんと仲よさそうに見えたから、来ないのかなーと思って」


なんでもないふうに答えると、レナちゃんはふーんというかんじで、煙をはいた。

マコちゃんはそんな俺を横目で見ながら、なんだか楽しそうだった。