「ハヤテ、頑張ってね」


「私も好き」なんて言えなかった。どうしてだか言えなかった。


ハヤテはきっとそれが分かっていた。

もう一度私の頭に手をのせると、今度こそ彼は去って行った。


私はいつものように彼の姿が見えなくなるまで見送った。


大学二年のときだった。




それから彼がどうしているのか、私は知らない。