そんな冷たい目を先生はしていた。
研究室に入った時期に始めた煙草は、すぐに一ミリから五ミリにあがった。
その日はなんとなく誰にも会いたくなくて、非常階段には行かなかった。
レナとマコに会えば、先生に対して一緒に怒ってくれ、慰め、励ましてくれるだろう。今の私にはそれは必要なかった。
ただ一人でいたかった。カエデワールドに。
気づいたらいつの間にか泣いていて、駐車場に近い喫煙所に来た。
校舎から遠いこの日当たりの悪い場所に好んで煙草を吸いにくる人は滅多にいない。
震える手で煙草を吸った。あっ。と小さな声がして、驚いて振り返ると研究室の先輩がいた。



