「たいして貯金はないけど、貸せるだけは貸すから」 「はぁ、どうも」 おいおい。なんだよその間の抜けた声は。 「てか、ぷ…」 急にカエデが笑いだした。 え?そりゃ、貯金額は少ないけど、笑うことないじゃんか。 「笑うなよー」 ちょっと拗ね気味で言うと、ごめん、ごめん。と言って、あのね…と続けた。