花火【企画】

ゆっくり離れた唇。

「そろそろ帰るで?人多いき、出れんなる。」


「うん。」


ベンチを立った時、私の手を取って、指と指を絡める様に繋いだ。


純の手は、暑さからなのか、緊張からなのか少し汗ばんじょった。


この手が離れたら、簡単に迷子になってしまう位の人が溢れちょった。


「凄い人やね。
どっからこんなに集まったがやろう。」

「やろ?
絶対、手離しなよ?はぐれたら最悪やき。」


「分かった。」


汗ばんだ純の手を、ぎゅっと握った。