鏡川。
何の事もない、普通の川。
今は濁っていて、そうでもないけど、昔は、鏡の様に周りの風景を写せる位に、綺麗やったと聞いた事が有る。
此処は、年に二度賑わう。
一度目は、鏡川祭。
二度目が花火大会。
「お、一個だけベンチが開いちゅう。
ラッキーやん。
座ろうや。」
「うん。
もう足クタクタちや。」
「クタクタって…結衣オバァみたいな事言うなや。」
そう言って爆笑し始める純。
「慣れない下駄履いちゅうきよ。
浴衣失敗したみたいやね。」
ダルくなった足を摩る。
「可愛いで?
その浴衣…凄く可愛い。」
「有難う……。」



