「次は〇〇~。 次は〇〇~。 お降りの際は……」 おじさん風の渋い声のアナウンスが、電車の中に響く。 『ピンポ~ン』 体の向きを変え、窓際に有る下車ボタンを押した。 「有難う」 料金を箱に入れて、運転手さんにお礼を言って電車を降りると、外は会場である鏡川へ歩いて行く人でごった返していた。