抵抗しようとすると、もっと強い力で顔を固定されて動けない。 抵抗するのをやめ、静かに受け入れる。 一瞬でも物音がするのが遅れたら、唇は触れていた。 何かが待合室にぶつかる音がして、男がそっちを見た隙にあたしは逃げる。 …何がぶつかった? 男が何かを確かめにドアに向かう。 あたしはそれをジッと見ている。 そっと、男がドアを開けると―――