『そんな人居ないよ』
先生は少し悲しそうに言う。
そんな顔されたら
"好き"って言っちゃいそうになるよ。
それでも私は
好きなんて言わないけど。
言っちゃいけないんだ。
私は明るく先生から離れた。
『なーんだ。つまんないの』
そう何事もなかったかのように振る舞う私に
先生はちょっと戸惑ってるみたい。
そんな先生をみてると
気持ちが溢れだしそうになる。
その時────
先生が何かを言いかけた
『藤咲…俺は、』
──♪♪
間が悪いことに
私の鞄の中で携帯が鳴なった。
先生が言いかけた言葉が気になったけど
私は携帯に出る事にした。
そう、相手はきっと
お母さんだから…。

