奈美と別れ、音楽室へ行き楽器を出した。私はパーカッションを担当。パーカッションとは、打楽器のことだ




マリンバを練習しながら、奈美の言葉が頭を過ぎる。




「返して!!」




その一言が、椿の胸に刺さった。



確かに、瞬と付き合い始めたのも、告られたから。ただそれだけだった。


奈美の愛がどれだけ大きいのか。ただ単に告られたから付き合った私の気持ちに対して許せない気持ちがひしひしと伝わった。



椿にも、凄く好きった彼が中学のときにいた。



ずっと一緒にいて、高校で離れ離れになり、上手くいってるのに、好き過ぎて…もし彼から別れを告げられたら立ち直れない。そんな気持ちから友達に戻ろうと別れたのだ。椿はホントはまだ引きずっていた。