右の道を進んでいくと、次第に辺りが木々に囲まれ始め、今やすっかり森のなかとなった。
「……あれれー」
「おい猫。本当にこの道で間違いないんだろうな」
「疑うなよ。どうせ左に行っても森だったさ」
分かれ道までは田んぼばっかりだなあと思っていたのに……
入り込むまで森があるなんて気付かなかった。
「ただ、こっちの道にはちょっとした噂があるんだ」
ライオンは真っ直ぐ煉瓦道を進みながらも、道のない茂みの方に目を向けている。
「この辺に住んでた木こりが、最近姿を消したんだと。でも木を伐る音だけは鳴り続けてるとか、うめき声が聞こえるとかいう、怪談なりそこないの噂だよ」
「……それって木を自分ごと切っちゃってブリキの身体になってるんでは……」
で、油注し忘れて動けなくなってるとか
「若しくはこの猫みたいに大した理由もなく飛び出して来るかも知れないぞ」
「俺は理由あったぞ!行かないと生きてる意味が無いような気がしたんだ!」
さりげなく重い事言わないでください。


