目線を戻し、止めていた手をまた動かして鞄を探る 突然視界が茶色く変わった へ? カーディガン…? 「それ、着とけよ」 不思議そうに見上げた私に見兼ねて、シャツ姿のアイツが口を開く 「着とけって」 「え?別に、寒くないよ?」 9月と言えどもまだ夏の暑さが残って、天気が悪いにも関わらず肌寒さは感じない はぁ…… わざとらしいあきれ顔に大きなため息 「あのなぁー。いくら馬鹿でも頭から雨被れば、風邪ぐらい引くんだよ」 “馬鹿”を強調した、ムカつく言い方…… なによ、なによ!